尾瀬山行報告


日時   7月9日(土)〜10日(日)
メンバー タニシ(L)、Kanegon、Ukawa、Muming、塾長(記)

7月9日(土)
 会津高原尾瀬口駅11時……御池12時……御池田代12時15分〜40分……東電小屋17時30分

 東武線快速電車の中で全員集合。今日は午後から雨の予報だが天気は会津高原尾瀬口で下車するまで晴れて いた。天気が気になったのと、5人揃っているので強気にタクシーで時間を稼ぐことにした。狙い通りタクシーは 快調に飛ばし、パトカーとのすれ違いの時だけ徐行しながら12時には御池に到着。
 バスより40分早く到着した。雨が降る前に途中の湿原での写真撮影がおおむね済んでいたので、この40分が 結果的に大きな差となった。

 御池駐車場から10分ほど歩き、御池湿原で昼食をとった。湿原にはワタスゲ、コバイケイソウ、アヤメ、 レンゲツツジ、ニッコウキスゲ等が咲いていて、湿原の緑がまばゆいばかりだ。
 御池田代を12時40分に出発し、姫田代、上田代と歩く。姫田代では、トキソウ、サワランと次々に咲いて いて写真撮影でなかなか前に進まない。

 先を歩き後続を待っていたカネゴン達が、反対から来たガイドのおじさんに
 「この風が止むと雨になるからのんびりしていないで早くいった方が良い」
 と言われていた。
 この人は、尾瀬を始めとして日本各地の山をガイドして、花にも詳しいようで、カメラのディスプレーの画像を 見せては花の名前を教えてくれた。聞けば、今年の至仏山は5年ぶりの当たり年だそうだ。また当たり年にも3年、 5年、10年の周期があるそうだ。

 上田代を過ぎると大きな湿原もなくなり、あまり写真撮影に時間をとられることもなくなったが、この頃から 雨が降り出し、先ほどのアドバイス通りになった。
 しかし、その雨も15分間ほど本降りだったものの短時間で止み、尾瀬ヶ原に向けひたすら歩く。温泉小屋付近 で三条の滝からの道と合流すると、木道は複線となり尾瀬ヶ原に入る。

 この頃から湿原の花が出てきて、またまたペースが大幅にダウン。
 写真を撮りながら歩いたことで東電小屋に落ち着いたのが5時30分。
 他の登山者も少なかったこともあり、小屋番さんが他の部屋の登山者と調整して、ロマンの会メンバーは1部屋を 専用で宿泊できることとなった。

 今年の尾瀬は、福島県イコール原発事故で放射能の危険ありという風評から登山者が少なく、穴場かも知れない。 東電小屋は、設備も食事も良い小屋だ。翌朝早起きの予定でもあり、全員消灯時間の9時には就寝。

7月10日(日)
東電小屋4時40分……山の鼻6時10分〜35分……至仏山10時〜25分……鳩待峠13時35分

 朝4時に起床。外はまだ薄暗いけれども晴れ。
 湿原を霧が軽く覆っているが、今日は願ってもない快晴になりそう。
 予定通り4時40分に出発、日の出前の尾瀬ヶ原を山の鼻へと歩く。天気が良いせいで朝露の冷たさが気持ち 良い。木道周辺にはニッコウキスゲ、カキツバタが咲き誇っている。
 牛首分岐が近くなった頃、燧ヶ岳の山体から日が昇る。山頂にいたら尾瀬ヶ原に映る影燧が見えることだろうと 思う。日が昇るころには湿原を覆っていた霧もすっかり霧消した。山の鼻には6時過ぎに着き、植物研究見本園の ベンチで東電小屋のお弁当を頬張る。

青空にハクサンイチゲが映えていた 尾瀬ヶ原と燧ケ岳

 6時35分、至仏山に登り始める。
 1時間も登ると樹林帯から抜け出し、陽射しはきついが展望が素晴らしく、尾瀬ヶ原、燧ヶ岳が箱庭のよう。 至仏山に何度も登りながら晴れたのは初めてというMumingには、この山の印象が大きく変わったことと思う。

 蛇紋岩の歩きにくい岩場を休憩を交えながら登るが、頂上直下の高天原付近のお花畑は圧巻で、5年ぶりの当たり 年とはこういう状態をいうのか。
 ホソバヒナウスユキソウ、アズマギク、タカネバラ、ハクサンイチゲ、ネバリノギランが競演している。花だけ でなく、平ヶ岳、日光白根山、皇海山、赤城山、上州武尊山等の周囲の山々も丸見え。

 しかし、山頂に着く頃にはガスが湧き出し、記念写真は霧の中。
 山頂から鳩待峠への下りでは、ホソバヒナウスユキソウの群落が見事だった。
 雪田周辺では、イワカガミ、シナノキンバイ、チングルマが咲き誇っている。
 峠も近くなるころには、マイヅルソウが一面に、ミヤマカタバミも現れた。昨日は雨を覚悟して出発したのが 嘘のようだ。峠から沼田に出て花の山旅は終了。

 昨日の出発前には、二日とも雨を覚悟して出発したのが嘘のような天気に恵まれ、ロマンの会の晴れ女の 皆さんに感謝。
 今回は、鵜川さんが久々の参加だったが、この山行をきっかけに復帰してくれることでしょう。

今回の山行で見ることができた花々
レンゲツツジ、ゴゼンタチバナ、ツマトリソウ、マイズルソウ、ホソバヒナウスユキソウ、ミツバオウレン、
イワイチョウ、イワカガミ、イワナシ、トキソウ、サワラン、ニッコウキスゲ、ミヤマキンポウゲ、
テガタチドリ、ハクサンチドリ、ミヤマカタバミ、ミツガシワ、ヤマオダマキ、アヤメ、カキツバタ、
モウセンゴケ、ヒメシャクナゲ、シャクナゲ、ダイモンジソウ、ワタスゲ、ハクサンイチゲ、シナノキンバイ、
チングルマ、ミヤマシオガマ、ウラジロヨウラク、ナナカマド、コバイケイソウ、ナツトウダイ、キジムシロ、
タカネバラ、アズマギク、ネバリノギラン、タカネシオガマ、アザミ、タテヤマリンドウ、ハクサンコザクラ、
サラサドウダン、ズダヤクシュ、カラマツソウ、キバナノコマノツメ、エンレンソウ(種)、
ベニサラサドウダン、ミズトンボ、ミズバショウ、ツバメオモト(実)、タニウツギ、ニガナ(順不同)

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