◆立山・剣 北アルプス山行
◎参加者(敬称略):マタギ、aiai、altivelis、花好き娘、マツダ(aiaiさんの友人)、すみ、Kanegon、 muming *剣岳アタックは、前者6名
*写真はマタギさん、aiaiさんからも供給
★2日目:8月17日(水)
剣山荘〜剣岳往復〜剣御前小屋
(すみ記)
・コースタイム:5:45剣山荘発 → 6:35前剣 → 9:00剣岳 → 10:45前剣
→ 12:00剣山荘/13:15発 → 14:40剣御前小屋
前日夜の天気予報では、まずまずだったので、夜中、大雨が降ってたが気にせず、快適な剣山荘で安心して 寝ていた。
だが朝起きてみると、ちょっと微妙。雨も先ほどまでパラパラ。ウーン、どうするか。これから天気が回復 することを願って、前剣岳まで登って様子を見ることにした。
一服剣まで順調。
一度コルまで降り、急登をあえぎながら登っていく。
前方に今にも落ちてきそうな「大岩」が見えてきたら、少し長い3番の鎖場、続いて4番を越えると前剣岳の 頂上だ。
これから先が、いよいよ難所の連続になる。
相変わらず曇ったままだが、風はそれほど湿ってなく、何より、皆、よく体が動いているので、剣岳に アタックすることを決断。
5番鎖場はいきなり緊張が走る。4mの鉄の橋を渡ってすぐ、切り立った岩のトラバースである。
前を行ってた頼りなげな学生チームの一人が、「これはないでしょ」みたいな事を言うので、ますます ビビる。風が吹くと怖そうな橋だ。
その後も次々に鎖場が現れたが、皆、しっかり3点支持ができているので、大きな問題はない。
こういう天気なので、高度感はあまり感じられず、かえって好都合。女性陣のaltivelis、aiai、花好き娘 は皆元気、マタギさんやマツダさんが後ろにいて、安心感もある。
むしろ、思ったより人が多く、順番待ちで体が冷えたり、変な所で待たされたりする方がつらい。
そうこうしているうちに、いよいよ最大の難所、「カニのたてばい」に出た。
だが、われわれロマン隊は、記念撮影なんかして、まだ余裕〜 でもなかった(すみは)。
やはり手強い。結構、最後は直登に近く、足場・鎖場はしっかりしているとは言え、最終は自分の力が頼り。
一連の鎖場を登りきって、ほっと一息。全員、無事に登ってきて、いよいよ剣岳まで、あと少し。
ちょうど9時頃、念願の剣岳山頂に到着!2999m。
昨日登った、富士ノ折立と同じ標高だ。
残念ながらガスの中で、まるで展望がないが、雨が降らなくて良かった。鎖や岩が濡れてるといやだよねと、 記念写真を思い思いに撮って、弁当を食べ始めたら、いきなり、ザーっと、雨が降ってきた。。。
あわてて片付けて、下山の準備を始める。雨で眼鏡に水滴が付いて、道がわかりづらい。
さて、下山路の最大の山場は「カニのよこばい」である。
幸い雨はやんで、一人一人、慎重に降りる。
最初の一歩目の足場が、上から見えづらいので怖いが、先に降りた人から、足場を指示してもらえれば、 思ったより楽に足を運べる。
晴れていると高度感がありそうな所だ。
そこを過ぎると、今度はステンレスのハシゴ。
濡れていると滑りやすく、いやな感じだ。
降りて、平蔵のコルの所で皆を待ってたが、マタギさんがなかなか来ない。別の人が先に降りてきて、エーッと 思ったが、どうやら、カメラのフタを落として、探していたらしい。
ここまで来れば危険な鎖場はなく、そうは言っても、滑りやすいので慎重に降りていって、登る時に緊張した 5番ブリッジも、下山路は巻き道で問題なく、ようやく前剣岳まで戻った。
途中、花好き娘は、手が滑っておしりを強く打ったらしく、痛そうにしている。
前剣で一休止の後、急な道を下っていく。
3番鎖場は長いが、補助的に鎖を使う程度で降りられる。
落石に気を付けないと、などと思ってたら、後ろから悲痛な叫びが、、、左を何か黄色いモノ?が風のように 通り落ちた、aiaiさんだ!左前で向きを変えると谷筋の方に吸い込まれた。時間が一瞬で凍った。
慌てて駆け寄ると、痛ぁとaiaiさんが立ち上がるのが見えた。顔も手も足も、目立った外傷はないようだ。 さすがは抜群のバランス神経!のaiaiさん、とにかく大事なくて良かった。
問題なく歩けそうで、特に心理的ショックも受けてないようなので、そのまま下山を続けた。
雨具の足のジッパを開けっ放しにしてたようなので、運悪く何かに引っかかったのかもしれない。
一服剣で一息ついて、最後の道を下ってたら、mumingさんが優しく出迎えてくれた。続いて、小屋の方からは Kanegonさんの声が、元気に出迎えてくれた(肝心の本人はどこにいるのか、なかなかわからなかったが)。
さて、剣山荘に戻って大休止。
お昼をゆっくり食べ直す。いやいや今日は皆さんお疲れ様でした。
後は剣御前小屋までだ。高山植物や雷鳥を愛でながら、ゆったり歩いてゴール。
★3日目:8月18日(木)
剣御前小屋〜室堂
(すみ記)
・コースタイム:6:20剣御前小屋発 → 7:15雷鳥沢 → 8:10室堂/8:40バス → 9:50立山駅
あれ、3日目も(すみ記)とあるのは、深いわけがある。
時間を遡ってみよう。
昨日の、ロマンの会、剣岳初登頂後、平和な刻が訪れていたように見えた。
剣山荘に「剣岳トランプ」なるものが売ってて、写真が綺麗で撮影ポイントなども載ってたので記念に買ったところ、 この後、思わぬ展開に。。。
剣御前小屋には3時前に到着。途中、クモマグサや、アオノツガザクラ、ツガザクラ、前2種の雑種とされる コツガザクラ(図鑑によってはオオツガザクラとも)、ハクサンフウロ、チングルマ、ハクサンボウフウ等々、 高山植物が咲き乱れていて、また雨は降ってなかったので、ゆっくり写真を撮りながら歩けた。
今回、何回目かのライチョウにも出会えた。
剣御前小屋の若オヤジはなかなか感じがいい。とても親切だ。残念ながら明日の天気は荒れそうとのこと。 大日岳に向かう道からのエスケープルートは、下の方が雨が降ると増水して危険なことがあるというので、夕方の 天気予報でダメそうだったら、まっすぐ室堂に下山したほうが良さそうだ。
さて、一通り、荷物の片づけが終わって、部屋に集まった。今回は、剣山荘も剣御前小屋も、大部屋を我々だけで 独り占めで、十分なスペースがあり、快適だ。
山行報告の話になった。最近、皆、書いているらしい。仕方がないので、今日の山行報告はすみが書くとして、 明日の分はどうしよう、あの「剣岳トランプ」で決めようとの展開に。皆、勝負師の眼となり、キラリ☆と光った。
さてさて、ババ抜きである。
最初からいやな予感がした。そして、そうなった。
まずmumingさんが一抜け。次々に抜けていき、気がついたら、マツダさんとの一騎打ちに。
どうやらババはKanegonさんが長らく持ってたらしいが、気がついたら、すみの手に。残り2枚となり、どうだと 出した所、マツダさんは正解を取り、ジ・エンド。。。
この後、7並べとか、神経衰弱とかやったが、賭けモノがないと今一つ盛り上がらず、真の勝負師のaiaiさんだけが、 ほくそ笑んだのであった。
それにしても、誰も大貧民のルールを覚えてなかったのであった。トランプの後は、マタギさんによる三角巾講習。 足首や膝、ヒジ、折り方などを教えて頂いた。
今回は幸い事故にはならなかったが、最低限のことは覚えておく必要があるだろう。
以上、長々と2日目のことを書いてきたが、3日目は、まあ、早い話下山しただけ。
朝起きると、天気予報通りパッとせず、大日岳は中止にして、雨具を着込んで、6:20に下山開始。
急な雷鳥坂をひたすら下る。
そんなに早いペースでもなかったが、少し早めに雷鳥沢に到着。1日目の立山の稜線から、はるか下に見えていた テント村の中を突っ切って、後は石畳を登り返し、これが、ちょっときつかった、8:10に室堂に到着。
ちょうどバスの接続も良く、立山駅前の千寿荘で汗を流して解散。500円なり。
今回も色々あったけど、楽しく充実した山行でした。参加者の皆さん、ありがとうございました。
今度は、トランプでなく、本物の剣岳を観に北アに行きましょうね。組織票求む!
立山・剣岳山行報告1日目、2日目(居残組)
日時:8月16日、17日
天候:曇り時々晴れ、そして雨
コースタイム:
16日
室堂8:35〜9:25一の越9:35〜10:25立山10:58〜11:44
富士ノ折立12:25〜13:55別山山頂14:05〜15:35剣山荘着
17日
剣山荘界隈散策
参加者:Sumi(L),マタギ、Altivelis、カネゴン、花好き娘、Aiai、Matsuda、Muming(記)
15日はどうしても休みがとれなかったので夜行バスで室堂に行く。
幸いにも隣に乗客がなく2シート独占できたけど、2時間おきにトイレ休憩で停車する際にアナウンスが 入るのには参った。
当然まともに寝られないうちにガスがかかっている室堂に到着。今日は行動時間少ないし、だいじょうぶ だろうとタカをくくる。
立山ホテルでのんびり朝食をとっていたら集合時間が30分早まるとの連絡が入り、8時半に集合場所へ。
「今日のコースわかってる?」
らしき質問を受け、
「うん、雷鳥坂から剣山荘でしょ?」
私は1日目は楽勝コースと思い込み、それもあって夜行バスにしていたのだった。
「ちがう! 雄山にいくんだよ。altivelisも雷鳥坂にいくと思っていたんだから」
奥多摩日帰り登山か、と思うくらい軽装のaltivelis。
そして私も慌てて地図を見ると、今日のコースって結構長いということに気付いた。
だいじょうぶかな。。。。
一の越までは完ぺきに整えられた広々とした道をだらだら歩く。
ところどころ雪がかかっていたけど、関係者(?)が除雪作業をしている。問題なく一の越に到着。 ここから雄山までが今日一番の急登だ。
ガレているけど歩きにくいわけではないし全く危なくもない。でも、後で知ったけど、室堂〜一の越間と、 一の越〜雄山間はこの夏、2度山岳救助隊が救助に入っていたという。
なんでもないところなのに山ってコワイな。
雲が切れて日が出てきたと思ったら、また覆われたり。
午後に本格的に雨が降り出すまでは、この連続だったけど、緑のグラデーションと白い雪と青い空の コントラストはやっぱり見事。
北アルプスだよね〜。
雄山山頂ではお祓いを受け、お神酒をいただく。
思いがけず日本三大霊山の一つに来れて嬉しい。眼下には黒部湖が見える。本日最高峰の大汝山、そして 富士の折立のピーク手前でお昼休憩をとるまでは稜線歩きが続いた。休憩後、けっこうな急坂を下っていた時に ついに雨が落ちてきた。
空模様はイマイチだけど、真砂岳〜真砂乗越〜別山に向かう稜線歩きは楽で気持ちがいい。
西側に室堂平がよく見える。
別山あたりにくるといよいよお天気が崩れてきた。小さな祠にお参りした後、下り道を下りていったら 剣御前小屋に着いてしまった。
玄関口の軒先を借りて雨具をつけさせてもらう。
本降りになった雨の中、剣山荘目指して剣御前稜線下のトラバース路を行く。雪渓があったり、1,2箇所 ちょっと要注意のガレ場があったりしたけど、ツガザクラ、クモマグサなど、今日の行程の中では一番花を 楽しめた道だった。
雨の中、無事剣山荘到着。内装工事をしたばかりらしく内部は民宿並みの綺麗さ。
シャワーも男女別に3つずつあり、これまた清潔で綺麗。
そして運よく個室を割り当てられて、大変快適な夜だった。
2日目(居残組)
どうもお天気が怪しいらしい。
アタック組は5時前に出て行った。
のんびり朝寝でも、と思っていたけど山小屋は早々寝てられず7時に部屋を出る。
剣沢雪渓まで散策しようと思ったが、岩ゴロゴロ草ボウボウのミックスで、おまけにあまり人が通っていない ような道でイマイチ気分が盛り上がらない。
雪渓が見えてきたあたりでしばらくウロウロし、雨が降ってきたのを合図に山小屋に引き返す。
9時くらいには結構な雨脚になってきた。
食堂から窓の外をみて
「アタック組は山頂をめざしたんだろうか?」
とKanegonと話す。
そうこうしているうちに前剱で引き返してきたという一行が帰ってきた。
引き返してきたのは自分達だけで他は頂上へ向かったという。
ということは行ったんだ。。。
10時半過ぎには、一番早く出発したであろうパーティが登頂を果たして戻ってきた。
彼らは下山途中から雨にあったという。
雨が上がったところで一服剱まで行ってみた。しばらく待っていたけど来ない。
次々下山してくる人達に上はどうかと聞いたところ、今日は事故はないですよ、とのこと。
前剱までいこうか、と思い、登り始めるも、近所に買い物にいく的な恰好できているから気分が出ず、急な 岩壁にぶつかったところであっさりあきらめてそこで待つ。
恰好って大事だな。
11時半過ぎになってアタック隊の姿が岩の上に見えた! ご無事でなにより。
ロマンの会としての初登頂おめでとうございます。
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