山行報告

尾瀬笠が岳


日程: 7月15日(日)~16日(月)

参加者: 軍曹L、Altivelis、Muming、二等兵

 プロローグ(軍曹 記)

 田螺リーダーより雨天中止の連絡あり。「残念だなぁ~、天気は回復傾向なのに…」と思っていると、それを察知したかのように「残念だなぁ~、天気は…」と二等兵からメールが届く。

 こんな具合に一日順延の意思は決まった。
 そこでメンバーへの広報メールは私が、宿の手配は二等兵が担当することになり、Altivelis、Mumingの参加も決まる。待合せ場所は戸倉温泉。各自が宿に参集することになった。

 15日(軍曹 記)

 今日は宿に向かうだけ。なので東武とJRの鈍行を乗り継ぎ、数独と変わりゆく景色を楽しみながら沼田へ。鈍行の車窓から変わりゆく景色を見るのが好きな私は、実は鉄子か?と最近思う。

 沼田駅で二等兵と合流。バスに乗り込み、戸倉温泉に向かう。
 3連休のなか日。それなりに人が乗ってくる。
 沼田駅周辺は何もないが、バスで5分も上がると立派な町並みが広がる。沼田は地方都市として上手くいっているようだ。
 老神温泉や蒲田で乗客が降り、戸倉に向かう客は二等兵と私の2人。

 本日の宿に話題が移った。

曹: 宿の手配、ありがとうございました。どうやって見つけたの?
兵: 最初は前に泊った宿にしたんだけどね。ネットを見ていたら、安くて評判がよい宿を見つけたので、そちらに変えました。
曹: へー、いくらなんですか?
兵: 1泊2食で6千円。温泉も付いてますよ。
曹: 安い!
兵: そう、僕は皆さんに喜んでいただけるよう、常に努力しているんです。
曹: そう言えば、冬に来ましたよね?戸倉に。
兵: あのときは高島さんの車で、スキーに来たね。
曹: あのときの宿、すっごく安かった覚えがある…1泊2日で4千円だったかな?
兵: そうそう、古いけど温泉もあって。宿の主人もなかなかだった。Todoさんの嗅覚はスバラシイね。
曹: あ!次が戸倉バス停ですよ!宿はどこだろう?(車中から宿の看板を探す)
兵: あった!「旅館 嬉楽」の看板が!
曹: (???あの屋根、見覚えがあるぞぉ…冬に泊った宿とおなじような…)


~バスを降り、宿に向かって歩く~

曹: やっぱり!ここ、冬に泊った宿ですよね?
兵: 違うよぉ!カネゴンさんはそういうところがね・・・(と宿の入口に立つ)


あーーーーーっ!あのときの宿だぁーーー!!

曹: やっぱりね。いいじゃないですか。安くていい宿だったって、高印象なんだし。
兵: いやぁ~、僕は情けないよぉ~。止めるかぁ?ほかの宿にしようかぁ…(と声と体がどんどん小さくなる)
曹: あとから来る二人に、確実に連絡が取れるとは限らないし。ここにしましょうよ。
兵: あぁ…、情けない…。分からなかったこともそうだし、こうやって軍曹に弱みを握られるのも…


 と、まぁ、宿を選ぶ嗅覚は、Todoも二等兵も同じだったというオチで始まった今回の延期山行なのである。決して記憶に問題があるわけじゃないですよぉ~。大丈夫ですよぉ~、二等兵さん。

 尚、ここ戸倉温泉「旅館 嬉楽」は、鳩待峠から尾瀬に入る宿として、ホントにおススメです。

 16日:(二等兵 記)

 行先未定とは言え、湯の小屋温泉までとなれば、道のりは長く9時間程度を見込もうと、朝6時に宿を出ることに。
 宿で呼んでくれたタクシーで、ちょうど6時に出発し、鳩待峠に6:20には到着。

 鳩待山荘で、笠が岳から湯の小屋に向かう道の様子を確認する。『昨日、一組がそちらに向かったかな。
 行く人はあまり多くなく、数組/日が行くかどうか。途中、誤って、水の道に入って行かないように。』
とのこと。
 6:40 天気にも恵まれ、取り敢えず笠が岳に向け出発。

 しばらく歩いて樹林帯が浅くなる辺りから、マイズルソウ、ゴゼンタチバナ、ツマトリソウ など白くて静かな花が次々に道端に咲いている。

 樹林帯が切れたところに大きな岩があり、そこでひと休み。近くに至仏、遠くに燧岳、その手間に尾瀬ヶ原が広がっているのが美しい。

 続いて木道(階段)を歩くと湿原が広がり、イワイチョウ、ワタスゲ、ヒメシャクナゲ、続いて、タテヤマリンドウ、ミヤマキンポウゲ、シナノキンバイなどが咲いている。久し振りにお目に掛かり、ちょっとうれしい。
 それぞれに写真タイム。

 約2時間で、至仏への道から左に分かれて笠が岳に向かう道に入ると、深い泥濘が多くなり、泥だらけになるのを避けながら歩くのに苦労する。

 そのような道を、足もとに泥が殆ど付いてない人がひとり、我々を何気なく追い越して行ったが、どうしてそのような歩きが出来るのか、全く不思議としか言いようが無い。

 やっと展望が開け、3角形の笠が岳がきれいに見える。道の両側に、タテヤマリンドウが美しい。
 時には、ハクサンコザクラ。

 笠が岳の手前の小高い小笠を巻く道は、斜面に沿って、シオガマ、チングルマ、ハクサンイチゲのお花畑。

 10時過ぎに、笠が岳への上り口に着く。この辺り、タカネバラ、ベニサラサドウダン、カワラナデシコが多い。
 このまままっすぐ歩くと、湯の小屋に向かう道である。ここまでで、コースタイムを少しオーバーしているが、でも途中の写真タイムなどを考えると、こんなものかな。
 ここで、大休止。お弁当にしてもらった朝食をここで食べる面々も。

 行く末について相談し、笠が岳山頂に立った後は、湯の小屋に向かわず、そのまま鳩待峠に戻ることに決めたので、ザックをその場に残し、笠が岳に向かう。
 所によっては手も使う急な岩の道である。

 頂上は360度の展望。
 すぐ近くに武尊岳、その手前は、湯の小屋への尾根筋、尾根の尽きた所に奈良俣ダム湖、その先に谷川岳、続いて時計回りに、越後駒が岳、平が岳、至仏山、燧岳、日光白根山、赤城連山、と続く。
 広域地図と首っ引きの結果である。

 あの遠くに見える平が岳から尾瀬まで、積雪期に歩き切った塾長ならば、地図など不要でもっと多くの山々を詳しく教えてくれたことだろうにと盛り上がる。

 鳩待峠に帰るだけとのことで、時間を気にすることなくゆっくりして、眺望を楽しみ、下る。ザックを残した湯の小屋への分岐に戻り、12:30出発。
 道の両側に咲くタテヤマリンドウを愛でつつ、また、形良い笠が岳を振り返りながら、午前に比べると泥濘が少し固まり、歩き易くなった道を鳩待峠へ。

 14:30 鳩待峠に着く。帰路は軽快に歩いたと思ったが、これでほぼコースタイム通り。
 以前、笠が岳に登ったとき、時間が足りなくなって慌てたが、今回も、結果的には湯の小屋分岐~笠が岳山頂往復の時間がコースタイムよりオーバーする結果になっていた。

 鳩待峠では待ち時間無く、そのままバスに乗り、戸倉へ。
 戸倉で、沼田行きバスの出発までの1時間足らずの時を、お世話になった民宿『嬉楽』で温泉に入りサッパリして、それぞれにビールなどで疲れを休める。

 天候に恵まれ、山々の眺望に恵まれ、多くの花々に出会え、良い宿に恵まれ、素晴らしい山行になりました。感謝! 感謝!

 皆さま、有り難うございました。


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