2014年7月 越後駒ヶ岳
メンバー:SUMI、YAKKORA、KANEGON(記)
【プロローグ】
今年の台風は何やら被害がでかい。でも会社に行っているうちに過ぎ去るようだ。やはり私の遊び運の強さは健在だ。車を出してくれるスミさんにメール「週末は台風が行っちゃうね。鍋とガスを持ってきて」スミさんからの返信「道は大丈夫かな?」そっそーですよね。全く頭から抜けてました。
【7/12】
9:00坂戸駅でスミさん、アニキと合流。色々あって今回は3名。「台風でどうするのか、メールを待っていました」とアニキ。便りがないのは良い証拠。最近の各々の会社状況や、先行った東北山行の土産話や、アニキの卒業後の話など、ワイワイする車は一路、長岡インターへ。台湾料理屋で昼食を済ませた後、雪国植物園へ。ロマンの会ではすっかり有名なここ雪国植物園は、私にとっては初めて。今は何が咲いているのかな~とチェックしたスミ博士のうしろを2人の生徒が続く。あ~れぇ~、ここ、いい所なんですね~。こじんまりした公園なのかと思ったら、良い散策路じゃあーりませんか。気の向くままアチコチ歩き、ようやく見つけたヤマユリ。他にもちらほら花が咲いていましたけど、私だもの。名前は忘れました。
車で魚沼に向かい、シルバーライン入口付近のコンビニで今日の酒を購入。「やっぱ地酒でしょ」「明日は早いから控え目にね」「じゃ、これ?」と、四合瓶を指差す。「え、じゃ、2本?」「じゃ、一升瓶?」と魚沼の地酒・玉風味を買うことに決定。(花の名前は覚えられなくても、酒の名前は覚えている)
その後シルバーラインを走り、銀山平温泉へ。前回ここを訪ねたのは平ヶ岳山行。あのときはTodoさんが玄関先で酔って寝込んだり、スミさんが大きなスイカを背負ってくれたりと、相変わらず山とは全く関係ない記憶のみが残っております。
さて、今回はロッジばかりが立ち並んでいる一角にある白光に宿泊。ロッジ同士で共同運営している温泉につかり、明日登る越後駒を眺める。遠いね~、でもキレイね~。風呂上がりはビールと地酒で乾杯!うん、地酒美味しぃ!としているうちに夕食時間。これでもかというほど沢山の料理が並ぶ。食事中、宿の女将のご挨拶があり、我々以外の2組は宿の車で平ヶ岳に行くことが判明。明日の天気や山の様子を聞いたあと、サービスだという越後駒バッチをもらった。
【7/13】
3:30am起床。テーブルには頼んでおいた弁当が置いてある。ごそごそと身支度をしていると、玄関外から「おはようございま~す!」と元気な声。女将の声である。平ヶ岳行きの車は3:50発。我々の出発は4:00.お見送りに来たらしい。良く働く女将だ。
予定通り4:00に宿を出発。4:15唯一残った枝折峠駐車場に車を停める。身支度を済ませ.4:30出発。いつもは「先に行ってください」と後ろをトボトボと歩く私だが、今日は長旅。朝はやったるでぃ~と先頭を行き、快調に飛ばす。
40分位歩くと、道の端に三脚を立てたカメラマンがちらちら現われた。ここは越後駒や中ノ岳、そして谷を覆う雲海のビューポイントなのだろう。残念ながら今日は期待できないけど。明神峠の祠を過ぎ、いくつものUp/Downを繰り返すと、目の前に緑と白の美しい山が見えてくる。残雪を頂く越後駒だ。深い緑と白い雪が同居するその姿は、日本の山の美しさだ。もう少し行けば道行山。
その山頂から越後三山がさらに良く見える。ここで朝食。宿では「おむすびは普通?大きいの?」と問われ「普通」と答えたのであるが、とてもしっかりしたおむすびが3つ。更に焼き魚、煮玉子、きゅうりの浅漬け、魚肉ソーセージ、(なぜか)スルメイカ、飴玉3つ。昨夜の夕食に引き続き、大量である。食べても食べても減らない。
適当なところで中断し、再び歩き出す。今日の天候は遠目が効く曇り。越後の蒸し暑さがなく助かる。小倉山までも道でも、越後駒の雄姿はよく見える。展望のない小倉山を過ぎると、いよいよ近づく越後駒。いや~、キレイだな~、ホントきれいだな~と繰り返し呟く。百草ヶ池を過ぎると、道は突如として急になる。大きな岩をよじ登るように進む。「ここ、降りるんだよね。僕は止めておこうかな」といつものアニキ節。とかなんとかゼイゼイ言いながらも、ポン!と開けたところに出れば、そこは駒ノ小屋。今回の山行を決めた小屋だ。トイレ休憩の後、山頂を目指す。
昨日、温泉で一緒になったおばさまたちが「大丈夫よ、山頂に少し雪が残っているけど、アイゼンは要らないわ」と言っていたが、ここから見るとかなり雪が残っている。近くまで行ってダメなら引き返そうと近づく。ほー、雪はあるものの踏み跡がしっかりしており、階段状である。こりゃ行ける!と山頂を目指す。残雪を抜け、少し右に巻いて歩けばそこは山頂9:30到着。ここで昼食をとるつもりだったが、風が吹き、雨が落ちてきた。他に登山客もなく、2枚に分けて登頂記録写真をとり、雨具をつけたら早々に下山を開始した。下りが苦手な私はストックを突きながら慎重に一歩づつ下る。
駒ノ小屋に戻り、小屋番さんに「(小屋を)使わせてもらってもよいですか?」と尋ねると「どうぞ、譲り合って使ってね」と優しい声。「よかったね、農○小屋のオヤジじゃなくて」とスミさんと囁き合う。小屋の中でトマトとコンビーフの簡単スープで早めの昼食。温かさが嬉しい。
身体が温まったところで下山開始。先程よりも雨は弱くなっている。下りは例の岩場からスタートするので、先頭はスミさんにお願いし、前を行くお二人のとおり忠実に足を置く。何とかびくびくの岩場を過ぎると、雨はほとんど止み、暫くして雨具を脱いだ。時折振り返ると、ど~んと越後駒が構えている。スミさんが先頭を歩くと、花をポツポツ教えてくれ、行きには気付かなかったものが見えてくる。
小倉山を過ぎ、道行山への途中で振り返り「いや~、楽しかったね~、来て良かったぁ」お二人に同意を求めた。「そーだね~、来たいと思っていたしね~」と賛同を得たものの「まだ先は長いけどね~」と指摘される。はははー、そーだよね~と私は口にしながらも、ここから先を甘く見ていた。この時点で山中に8時間。ここから先の2時間が途方もなく長かった。それまでは何とかお二人について行ったものの、徐々に引き離され、歩いても歩いても進んでいる感がない。行きに経験済みであったものの、繰り返すUp/Downは疲れた身体に響く。兎に角とにかく明神峠が遠かった。
明神峠を過ぎ、見覚えのある砂利道を過ぎれば枝折峠駐車場。14:30pm到着。ぴったり10時間。一緒に歩いていただき、ありがとうございましたぁーとお互いの労を労い、車に乗り込む。む っとする車内に広がる3人の汗の匂い。黙って窓を全開にする。国道352号線からは越後駒がよく見える。行けて良かったです。スミさん、アニキ、ありがとうございました。