マタギリーダー、Kanegon(写真)、Kiyono(記)

6年前に大住リーダーのもと、お盆の時期に縦走した飯豊連峰は、ずーっと雨具を着通しでした。私に とっては季節を変えてのリベンジ!マタギさんも20年前?に行った時は、やはり雨だったようです。

 2004年9月17日(金曜日)

 6:14みんなが乗る予定の新幹線やまびこ65号・自由席は長蛇の列。並んで、何とか私は席を確保 しまたが、後のメンバーは?と思いきや、マタギさんは鈍行の旅を楽しんでいたようだし、Kanegonさんは私が 2週間前に取れなかった指定席を、昨日いとも簡単にゲットでき、私以外は何とも余裕!
 山都駅のタクシー会社に夜遅い為、断られたとかで、手前の喜多方駅から1時間をかけて、飯豊鉱泉まで タクシーを飛ばす。山都駅から喜多方駅に変えたのは、マタギさんがラーメンを食べたいのかしら?とのんきな 事を思っていた私。喜多方タクシーの運転手は慣れていないらしく、真っ暗闇の林道はちょっと怖い!
 10:00 飯豊鉱泉到着、6年分、年を取った宿の兄ちゃんと再会。遅い時間なのに、鉱泉に入れたのは ラッキー。11:00明日に控えて、早めの就寝。

 2004年9月18日(土曜日)

 5:00起床。キャンプ場までは宿の兄ちゃんが送迎してくれましたが、今はほとんど見かけなくなった、 手入れもされていない古―い車でした。送ってもらって、文句は言わないほうが良いですね!

 でも、他の泊り客が食べていた宿の朝食は、とてもおいしそうだった。私たちはお弁当を頼みましたが、 梅干のみが入ったおにぎり2個&おしんこ。どうやら、プラス500円で少し登った、違う所まで送迎して くれたらしいです。

 この男性はその手はずをとっていたらしく、悠々と朝食を取っていました。

 5:30スタート→5:40 登山口→6:30下十五里、朝食→7:37上十五里→8:25横峰→9: 20地蔵小屋→10:50三国岳非難小屋、お昼→1:00切合小屋着

 下十五里で朝食を食べた後、何だかマタギさんがザックをごそごそといじっている。どうしたのかと思ったら、 何と、デジカメを飯豊鉱泉に置き忘れてきてしまったらしい。ちょっとここから戻るには・・・、2年前の 黒部五郎岳縦走の時のタニシさんのようにカメラ小僧が手持ち無沙汰となってしまいました。以後、何度となく マタギさんの、「ここ、いいんじゃない!」と言う言葉に、私たちがシャッターを切っていました。マタギさんは 仕方なく、携帯写真を取っていました。

 お昼は三国岳避難小屋で食べましたが、三日間入山していたという男性が、最初の2日はとてもよい天気 だったが、昨日は最悪だったとの事です。

 お天気が本当に心配!今回も、ずーっと、雨だったら、もう私は飯豊に見放されている。1:00早くも、 切合小屋着。予定では16時着、地図のコースタイムは相当に余裕をとっているようです。徳島の眉友山の会 (すべて、会の車で来るらしく、四国から北海道まで行ってしまうらしい)、品川の九州男児(飯豊鉱泉で 私たちが出発する時においしそうな朝食を食べていた人でした)との楽しい飲み会が始まりました。

 と、私たちの回りは小屋のおやじさんの洗濯物用の物干しになっていましたが、ふと見ると、どこかの グループの人が濡れたものを便乗して乾かしている。しかし、良―く見ると女性のレースの下着が・・・。 誰かが40年山をやっていて、初めて見る光景だとか言っていました。誰だかわかりますよね! 一体、 どの人たちなのかと、みんなでいぶかしがっていたら、判明!お隣りのグループの人たちでした。

 同性ながら何とも恥ずかしい、同性でも、やはり、なかなか言えないものですね!

 眉友山の会の方達(会長さんは郵便局の局長さんでした)とは、話がもりあがり、会の事務所ならただで 泊まれるから、来年阿波踊りに来たらとのお誘いに、えー、行きます。行きます。と、二つ返事の私たち でした。

 また、特産のすだちをマタギさん宅へ箱で送ってくれるとの事。うれしいい限りです。4:30何とも早い 夕食(カレー)、これからが長―い夜となる、多くの人たちは、早くも6時に睡眠タイム、しかし、あまりの 早さに私とKanegonさんは来年の阿波踊り&山の計画にしばし熱中。8時、就寝したものの、その後、2時間 ぐらい、小屋の屋根をとどろかす大雨。さらに、12時頃、6時に寝た人たちの集団トイレに起こされたのは 私一人?

 2004年9月19日(日曜日)

 5:00起床。雨の中、周りの人は4時ごろには出発していました。まだ寝ている人がいるのだから、 話をするのはやめて下さーい! 徳島の山岳会の人たちも朝早く出発していた。5:30朝食(お味噌汁 &いわしの缶詰)
 7:00雨の中、重い気持ちで出発。雨、横殴りの風。そんな中、すごい勢いで降りてくる団体は・・・、 眉友山の会の人たちでしたが、私たちに気づかないほど、必死に降りていました。本日は温泉に泊まるとの 事。

 8:15飯豊本山小屋、私たちより少し早く出ていた品川の九州男児がいました。この天候の中、予定通り 大日岳に行くらしい。でも、ひざにテーピングをしていて、だいじょうぶでしょうか?私たちはコーヒーを 飲んだり、何と、その後4時間も小屋に停滞。一番の寒がりの私は寒さの為、体が震えてしまうほどになる。 ここでも、マタギさんの冬山での話を聞き、すごいなあと思った。さすが40年の山歴!

 12:50 雨がおさまった様なので、重い腰をあげ、小屋を出発。しかし、強風は相変わらず。13: 05 飯豊山登頂。帰路、御秘所あたりから、晴れ間が見え、紅葉の山並みも・・・。思わず歓声!
 14:45 切合小屋、またワインで酒盛りをしていたら、心配していた九州男児が帰ってきた。しっかり と、悪天候の中、大日岳まで行って来たようです。帰りの御西小屋から飯豊山のあたりで晴れてきて、草紅葉と マツムシソウの群生がすばらしかったとの事。私はちょっとうらやましかった。でも、あの天候で大日岳に、 やはり行く気はしないかな?

 4:30 夕食(本日もカレー、あーあ!)、品川の九州男児との、会話に盛り上がる。女性上位の東京 での苦労話しだとか・・・、etc.。ロマンの会にも興味がおあり、入会されるかしら?

 小屋のおやじさんがどうも、デジカメを買ったばかりのようで、私たちの写真を撮ってくれる。住所を 聞かれましたが、ちゃんと送ってくれるかは疑わしいね!

 2004年9月20日(月曜日)

 5:00起床。もともと風邪気味だったマタギさんの声がガラガラ!とても調子が悪そうです。
 5:30昨日と同様の朝食。本日はとても良い天気で、朝早く、大日岳を目指した人たちがとても、 うらやましい! 小屋のおやじさんが言うには、やはり飯豊は良い天気の日があまり無いらしく、買ったばかり のデジカメを持ち出し、写真を取っていた。6:30スタート。

 7:50あっという間に三国避難小屋。このあたりで、すでにガスがかかってしまった。マタギさんのポット に入った、小屋のおやじさんがくれた麦茶でティータイム。

 9:30横峰→10:05上十五里→10:40下十五里→11:30登山口

 行きの時は飯豊鉱泉の兄ちゃんが送ってくれた車道をテレテレと歩いていたら、登山口で会った、つりに 来ていた人がどうぞ!ということで、飯豊鉱泉まで車に乗せてくれる。何とラッキー!嫌いな車道歩きを しなくて済みました。
 12:00 飯豊鉱泉着。12:50にタクシーを予約すれば、1時半頃の電車に間に合うということで、 急いでお風呂に入る。一生懸命、急いで入ったのだけど、ぐずな私の為に、マタギさんにはとても忙しい思いを させてしまいました。すいません。12:50 タクシー乗車。
 山都の駅にはあるだろうと、我慢していたビールが何と無い!本当にがっかり!会津までのお預け。その後、 新幹線には座れませんでしたが、5時半には東京に到着。雨の多い飯豊のリベンジで、3日の内、2日が晴れ、 飯豊ってこんなところだったのかと思うこともでき、私としては大満足な山行でした。
(記:キヨノ)

【飯豊で出会った人たち】
 今回の山行は3名と少人数でしたが、出会った人たちのおかげでとてもにぎやかな山行になりました。
 @恐るべし!阿波の山岳会
 金曜夜から車を走らせ、7:00に飯豊鉱泉奥のキャンプ場に到着。そのまま切合小屋に上がって来た!  上は70代の女性もいらっしゃる10数名のグループ。しかし最近よく見るダラダラばらばら山岳会ではなく、 動きも機敏で、統制もとれていて気持ちがいい。
 もうひとつ驚いたのが会長さんを皆さんが大事にしていること。「会長さん、ビール買ってくる?」 「会長さん、夕食持ってくるわね」と次々声がかかる。阿波の女性は尽くすタイプだそうで、「カップルで 食事に行ったら、上座に座るのは当然!ワタシ」「会長はサポート隊として酒を持ってきてくれる人」と思って いるKiyono・Kanegonは浮いた存在になっていました。そうそう、本場の阿波踊り体験ツアーに参加希望の方、 手を挙げてくださいな。

 A品川の九州男児
 飯豊鉱泉から切合小屋までずーっと一緒でした。それにしても、あの悪天候でよくまぁ、大日岳まで行くよ。 「えー!行くのぉ!」と言ったら「だってサラリーマンだもん」「私だってサラリーマンだけど」「え?そう なの?」(何にみえるのさ?) 設備の整った山には奥方もご一緒するそうですが、ほとんど単独行のようです。 「大学時代はワンゲル」「九州男児」という割には、どこか情けなくて、おしゃべり好きな楽しい人でした。
 B切合小屋のオヤジ
 「8月末にこの小屋から降りたんだけどよぉ、アンタが来るっていうから、もう一度上がって待ってたん だぁ」と愛嬌のあるオヤジ。日に日に紅葉が色づくのを見ている生活もうらやましいッスねぇ。3日目の朝、 一段と紅葉がキレイに見えたので写真を撮っていると「そんなにいいかね、ここ。じゃ、オレも撮るべ」と 並んで景色を撮りました。

 Cキャンプ場から飯豊鉱泉まで送ってくれた人
 以前、鉄人月山山行の帰り、K女史は、偶然通りかかった車に乗り込みバス停まで送ってもらったことが あるらしい・・・という話をしながらとぼとぼと歩く、キャンプ場から鉱泉までの道。そこに通りかかった 車が一台。キヨノ、恨めしそうに運転手を見つめる。運転手、思わず「どこまで?」「飯豊鉱泉です」 「乗っていきますか?」「きゃー!うれしー!」ということで超ラッキー!素晴らしいかな、Kiyonoさまの 眼力。

 D飯豊鉱泉のにいちゃん語録
 「オレにとっての山は飯豊だからさ。北アルプスに一度だけ行ったことがあるんだけど、あまりに整い 過ぎている設備を見て『これは山じゃない』って思ったね」うぅ〜ん、考えさせられるねぇ〜。
 「たまに飯豊のガイドもするんだけど、団体客のおばちゃんが言うことを聞かなくってさぁ。突き落として やろうかと思った」気持ちはわかるけど、やっちゃうと犯罪ですから・・・。
 「飯豊はいいところだからさ。虫対策をばっちりとって、夏に来てみ。きれいだよぉ」そっか、夏もいい んだ。あぁ、また来る山が増えちゃった。

(記:Kanegon)

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