屋久島山行報告
6月9日〜12日
Gyosho(L)、たにし、カネゴン、みっちゃん、きよ、Altivelis、Sumi、マタギ、塾長(記)
9日
この日は屋久島で現地集合。Gyosho隊長以下本隊はレンタカーに乗ってヤクスギランドへ。たに
し、塾長はバスで総合自然公園へ向かう。夕方5時過ぎにすみ、Altivelisも顔を見せ、全員集合。この日
の宿「かもめ荘」の宿泊者は我々以外に男性8名のグループで、明日は同じ避難小屋泊まり、とのこ
と。
10日 6時半・淀川登山口発〜12時半・宮之浦岳山頂着〜3時・新高塚小屋着10日
定刻の5時30分に予定通りの出発するためにタクシーにザックを積み込んでいる最中に雨粒が
当たり始める。淀川小屋登山口への道すがら、途中下車して、巨樹第一弾の紀元杉を見学する。
お目当てのシャクナゲは淀川登山口周辺にもちらほら咲いており、これから先に期待が膨らむ。
名無しの巨樹が多い樹林帯を進み40分で淀川小屋到着。小屋の屋根の下で雨を避け朝食をとる。
ここからは、花之江河への急な登りだが、期待にたがわずシャクナゲが次々と迎えてくれる。おかげで
快適に小花之江河に到着。頂上に岩が乗っかっている黒味岳が良く見える。小花之江河では、お目当ての
モウセンゴケは見当たらない。その先の花之江河のシャクナゲも見事だった。
ここから黒味岳の肩まで登った後は、岩肌が露出する山々を右に左にと巻きながら宮之浦岳に向かう。
山肌にシャクナゲが点在し、なかなか見事な眺めだ。シャクナゲの花が、蕾の時は濃いピンク色
をしているのが花びらが開くのにつれて白くなってゆくのが良く分かる。雨は降っているが、視界は
良好で周囲の眺めを存分に堪能しながら、12時30分に宮之浦岳山頂に到着。ここだけはさすがに
最高峰だけあって風雨が強く、記念写真をマタギさんに撮ってもらい、10分もしないうちに出発と
なった。
下山中も永田岳のいかつい山容とシャクナゲを見ながら樹林帯に入る。自然遺産に認定されたために、
登山道が木道や階段で整備されている。新高塚小屋には3時に到着、小屋の前に水場もある良い小屋
だ。折からの土曜日で相当な混雑を予想していたのだが、先着組は1組だけで、ひとまずほっとする。
先着組は昨晩、同じかもめ荘で宿泊したメンバーで、この小屋は第二かもめ荘の様相を呈した。最終
的にそれ以外の登山者は来ず、ゆったりと宿泊できたのは幸運だった。
夕食は、ロマンの会の慣例通り、全員車座になっての宴会。お酒を飲みながら、今日の出来事等に
花を咲かせた。お酒を飲みながらも相変わらずの手際の良さで、次々とおいしい料理を頂いた。夕方、
「シカだ」の一声で小屋の前に出てみると、立派な角をもった牡鹿が小屋前で悠然としている。皆カ
メラを持ってしばしの間、写真を撮ることに夢中だった。世界自然遺産認定による過保護政策によって
屋久島が第二の丹沢になる可能性もあるだけに、この自然がいつまでもバランスよく保たれてゆく
ことを願ってやまない。
6/11(日)(以下 たにし記)
(新高塚小屋)4:30起床。マット、寝袋などザックに詰める。
夜どおし雨だったが昨日より期待できる青空も少し見える。レインパンツとロングスパッツの防水対策
のみ。小屋は空いてて寝心地良かった。トイレは二度と見たくない様相だった。6:20記念写真後出発。
真新しい木道が続く。広くはないが注意してすれ違うことができる幅。
屋久杉が目立つ。小杉も多い。まもなく高塚小屋。木製階段、水平木道、勾配木道をいくつも渡り
大きな展望台に出る。正面に縄文杉。13年前に訪れたときより活力が溢れているようだ。縄文時
代に誕生、弥生時代に成人、…天平…江戸…と過ごし、昭和ではグラマンの音を聞き、原爆のキノ
コ雲を眺め、多くの時代をとおして人間の愚かさを見たことでしょう。そしてこれからも変わらな
い世界を見ることでしょう。
下山側(東南面)はシャクナゲが少ない。花もなぜか少ない。
ウィルソン株、太い、苔むした中にはミソサザエの巣があるという。水流も、円い空も。
手をつなぎあった夫婦杉。なにやら威厳を感じさせる翁杉。1000年を超えないと屋久杉と呼ばない
そうだ。道沿いには屋久杉が散見される。木肌が床柱を思わせるヒメシャラの木も目に付く。
予告なしに突然登山道が終わり、トロッコ道に。軌道の真ん中に滑り止めがついた木道が延々と続
く。遺産になったお陰。片側は清流。片側は切り立つ岩肌にシダ類が生い茂る。降雨量がいかに多
いかが分かる。両側が欝蒼とした林になると急に蒸し暑くなる。ヤマツツジやアジサイの仲間、白
い花を咲かせた○○。コケ蒸した岩につくアリドウシ。先行隊が待つ白谷雲水峡への分岐に着く。
暗い樹林の中の緩い上り道となり辻峠にたどり着く。太鼓岩へピストン。20分で戻る。岩上からは
雲のためか眺めなし。目標のバス時刻が迫っているとのことで少し歩調を上げる。苔むす暗い森(駿
監督作品のモデル場所とか)にはコケでビッシリと覆われた岩、小杉、屋久杉の森を通りぬける。
バス停到着。カーブの多い細い道を走り宮之浦到着。M女とすみ氏は次の宮之浦港まで。本隊(7名)
は一つ手前で降りてレンタカー屋へ。レンタカー2台に分乗し、一台は本日の宿へ、一台は一昨日
のかもめ荘へ荷物回収へ向かう。
永田浜の波の音が聞こえる宿に泊まる。長い廊下を歩き潮のにおいがする露天風呂へ。少し温め
だが水平線を眺めながらの山中2日間の汚れを落とす。
アサヒガニ、刺身、パッションフルーツワインなどの夕食をいただいた。夕食後宿の案内でウミガ
メの産卵見学に何人か出かける。部屋に残ったメンバーは初日からのデジカメ鑑賞会で盛り上がる。
程よい量の飲み物をいただき、早めに就寝した。
6/12(月)
今日は3時半発鹿児島空港行きに乗る時間まで自由時間。レンタカーで島内めぐりの予定。
7時30分朝食。
宿のある永田浜から反時計にまわる。花崗岩の上に立つ屋久島灯台。眼下の海が美しい。西部林道。
欝蒼とした林の中をくねくねと走り抜ける。前のリーダー車には遅れる。自然遺産になってから整備
されたとか。
大川の滝。落差88m、小さな島の滝にしては想像を超えた大きさには感動した。
平内海中温泉。何名かの先客が浸かっていた。着替えは岩陰で。青空なら超最高でしたでしょう。
風呂の手前で咲いていたハマユウ。
千尋の滝。滝の左右の岩肌は一枚岩のごとくスベスベ。
安房のすし屋さんで昼食。地魚の新鮮なにぎり旨かった。カメノテを初めて食べた人の勇気に驚く。
これで島一周完結。もう一泊するきよさんを宿まで送り、一路空港へ向かった。
屋久島のこの不思議な自然がいつまでも継続することを祈ります。
2006年山行計画に戻る