唐松岳〜五竜岳 平成18年8月12日(土)〜14日(月) 山行報告
メンバー:絵師(L)、Kiyo、Altivelis、Hara、Suzuki、泰(まえがき)
そして・・・Kanegon
行ってまいりました。北アルプスだらだら山行。
みんなわがままに、いやいや、いつもaboutな本木実の山行案内に大人のメンバーたちは、文句も言わず、粛々と
自分で手配して集合してくれました。下記参照。
それでは、リレー方式で報告行ってみよう〜!!
12日(土)Hara & Suzuki 13日(日)Kiyo 14日(月)L:絵師
そして・・・番外編:Kanegon
唐松岳・五竜岳登山 初日 by Hara
8月12日(土)
8:00 八方リフト降り口を出発
8:25 第2ケルン到着
8:50〜 9:40 八方池にて前田さんを待つ
11:00〜12:50 樹林帯にて雨宿り
14:00〜14:50 唐松岳頂上宿舎にて小休止
15:10〜15:40 唐松岳山頂にてまどろむ
8月も半ばの土曜日は曇り空。新宿から夜行に乗りこみ、間違いなく寝てはいるのだがなんとなく寝ていない
ような感覚にフラつきながら白馬駅にて絵師さん夫妻と出会い、ゴンドラ乗り場に歩を進める。途中前泊組みの
Altivelis、Kiyoと出会う。ゴンドラ乗り場で「10kg以上の荷物には追加料金!」のAltivelisさん情報の話題
に花が咲き、10kg以上あった自分と絵師さんのザックを開け中身を少し抜いて手持ちにしたり、10kgを
割っていた泰さんのザックに入れたりと細工が始まる。
7:30前頃、Altivelisさんはチェックアウトのため宿にもどり、絵師夫妻、Kiyoさん、自分の4名にて
ゴンドラに乗り込む。途中リフトに乗り継ぎ、8:00、リフト降り口より登坂開始。2泊3日の唐松・五竜への
旅の始まりです!
メンバーは絵師夫妻、Kiyoさん、自分の4名が先発隊。Altivelisさんが途中の八方池にて待ち合わせ。
SuzukiさんとKanegonさんは山頂山小屋で合流予定、の7人パーティー。
少々肌寒いが歩けば問題なし!といった朝の気温。空には雲が多く立ち込め、その隙間に時折青さが覗くと
いった空模様だが、視界良く、遠く山並みも十分見渡せる。歩くには申し分ない環境でゆっくりと歩を進める。
前後には色とりどり着飾ったたくさんの人達が同じように歩を進めており、人気のハイキングコースであることを
感じさせる。
8:50八方池に到着。Altivelisさんの到着を待つべく大休止の準備を始める。湯を沸かし絵師さんが
コーヒーをもてなしてくれた。疲れが取れ一息を感じる一時。絵師さんに感謝。皆朝食を各自取る。Kiyoさんが
持参したお弁当を分けてくれた。自分には持ち合わせない豪華な食事。Kiyoさんに感謝!
到着当初まだ山肌を覗かせていた向かいの白馬三山が雲に隠れ始め、見る見る一面に広がった。絵師さんは
八方池に映る白馬岳の絵を描く予定であったようで、雲しか映らない池を恨めしそうに眺めていた。
30分ほどしてAltivelisさんが到着。もう少し掛かるだろうと噂している最中の登場で、皆「エライ!」
と褒め称える。Altivelisさんの小休止を挟み、9:40出発。
道中Altivelisさんがいろいろと花の名前を教えてくれた。「秋麒麟草」「チングルマ」「ウサギギク」などなど。
他にもたくさん教えてくれたが覚えきれない。しかし自分にとって目的であった花の名前を教えてもらい、とても
楽しい道中。
時間も疲れも忘れる一時。歩きながら花の名前をぶつぶつ独り言。Altivelisさんに感謝。
途中現れた雪渓で小休止。その後も歩を進め樹林帯に入った直後、突然雨がポツリ。直ぐに雨具を上下着込む。
その最中も雨足は強まり、本降りに。雨が激しさを増す中、突然「ピカー・ゴロゴロ」と雷鳴が轟きだした。
絵師リーダーの判断により樹林帯で雨宿り。大きな雨粒が葉っぱから滴り体を冷やす。時間は午前11時。後続の
SuzukiさんとKanegonさんが気に掛かる。
道中、雨をしのぐ樹林帯はほとんど無い。我々はラッキーである。しかし後続の二人の難儀が頭を過ぎる。
雨は強弱はあるもののなかなか止まない。とても寒い。半そでシャツにオーバーヤッケでは耐え切れず長袖を着込む。
一時間ほどたった頃だと思う。本木さんが湯を沸かしてくださり、皆一時の温もりに大きな幸せを感じる。雷鳴は
幾度と無く轟く。遠くに近くに。先が読めない。絵師リーダーの「雷鳴が轟く限り樹林帯に留まったほうが良い」
との判断から、しばらく様子を見る。
雨宿りを始めて2時間ほど後、下山者が多くなり、行き交う人から先の道中の情報を入手。雨も雷も静まり始め、
リーダーより出発の号令が下る。そのころにはKanegonさんより下山を決意した旨のメールを本木さんが受信していた。
稲妻が横に走るのを目の当たりにしたという。さぞ恐ろしかったことでしょう。そして寒かったことでしょう。
お察しします。Suzukiさんはどうしたであろう?
再出発は12:50。しばらく登ると直ぐに木々が薄れ、周囲が開ける。森林限界に差し掛かった様子である。
とすると目の前に白馬三山が雄大な姿を現した。視界ははるか遠くまで届き、雨の様相はまるで無くなっていた。
抜群のタイミングで出発再開をしたことに気づく。リーダー絵師さんのナイス判断である。
そこからは花の名前を復唱しながらゆっくりとご機嫌に歩を進める。14:00唐松岳頂上宿舎に到着。
メチャメチャ嬉しい。唐松岳山頂も間近に迫って良く見える。チェックインを済ませ荷物の整理と寝床の確保。
自分にとって山小屋は2度目。登山では初めて。テントに慣れ親しんだ分、宿代8,900円が少々高く感じる。
14:50 ビールを買い込み唐松岳山頂を目指す。もう目と鼻の先である。荷物も宿に置き去りにし
とても軽快である。15分ほど、あっっと言う間に山頂に到着。そして感動!!360度の大パノラマ!北には
白馬三山、南には五竜岳、南西には剱岳に立山、東には白馬の町が広がり、北西には日本海も。みんなくっきりと良く
見て取れ、最高の景観。そしてビールで乾杯。酒の弱い自分であるがやはり美味い!黄昏前の素晴らしい一時。
ほんとに気持ちよかった。
15:40 山小屋に戻り、酒でまた乾杯。団欒の最中、Suzukiさんが到着!!雨をリフト降り口でやり過ごし、
機を見て登ってきたと言う。経験豊かなSuzukiさんらしい。それにしてもKanegonさんは残念でした。皆、翌日
金子さんが合流できないかな?と期待をする。
距離的には長い道のりでは無いが、非常に変化の激しい、中身の濃い一日でした。その分頂上のパノラマは
感動しました。そしてビールも旨かった。
自分は入会前のお試し山行の身。参加させていただけたことにとても感謝です。
山頂小屋までの単独行 by Suzuki
あずさ3号の窓の外は大雨。松本を過ぎて黒雲が多くなり、信濃大町駅あたりから本降りとなる。
みんなよりふた足ほど遅く朝発ちし、唐松山頂小屋で合流予定とした。前日からの雷雨予想にびびって、もし
到着しなくても帰ったと思って心配しないで、というメールをリーダーに入れておく。とりあえず連絡がとれなくても
これでよし。あとはなるようになって単独行でもすればいいかな。
11:25 白馬駅到着。雨は小降り、時々遠くで雷鳴が聞こえる。早く登り出さなくてはと気がせいていたが、
ゴンドラの駅で雷雲がいなくなるまで運行中止と言われ、がっくり。予定が大きく狂ってしまった。さて、どうした
ものか。
動きだす時間によって、山頂小屋まで行くか、行けなかったら八方池山荘に泊まって、次の日追いかけることにする。
もうどこまでも追いかける。もったいないから帰らないことを決めた。幸い1時間ほどで運転再開し、縦走の
登山者のみ乗せるというので乗り込む。
八方池山荘に到着が1時40分。進むか留まるか一瞬悩む。歩き出すとしたら今がギリギリのタイム。ほとんどの
人が八方池山荘の中に消えてしまった。先に行くのは男性二人と単独行の人の二組のみ。行けると判断し出発する
ことにする。
雨はもうすっかりあがって青空も見えている。上から雨具をつけた人たちが次々下りてくる。登りは私がしんがりの
ようだ。雨上がりで空気もすがすがしい。右手に白馬三山、左手に鹿島槍の双耳峰がくっきりみえた。お花も
マツムシソウ、ワレモコウ、ユキワリソウ、シモツケソウなどなどたくさん咲いていて、あらきれい、あらきれいと
思いながらもくもくと登っていく。そのうち下ってくる人もいなくなり、前を行く単独行の人も見えなくなり、
とうとう八方尾根は私一人のみになる。尾根上は強い風が吹きだし、少々心細くなってくる。早く着きたい一心で
必死に登ってきて、だいぶばててきたころ、ホイと顔を上げたら目に赤い屋根がとびこんできた。到着4時2分。
明るいうちに着けてほっとする。
小屋に入ってなんとすぐにロマンご一行を発見。やっと追いつくことが出来た。
思い返してみると、八方尾根はとても気持ちよかった。だれも周りにいなくて、あの広い尾根をひとりだけで
歩いていたのだから。
無事にみんなに会えて、その後も楽しい山行ができました。
2006年8月13日(日) by Kiyo
昨日の天気予報では本日は曇り、でも、ご来光を期待して4:00に起床。日の出の時刻4:45?に合わせて、
小屋の裏手で待ち続ける。昨日雷で、遅く着いたSuzukiさんは、まだ唐松岳を踏んでいない為、一人、果敢に頂上へ。
しかし、残念。真っ白で、寒いだけでした。明日に期待しましょう!
5:30朝食、何だかお天気も今一歩。小屋のオヤジはどこからかの電話に、「今日は晴れだね。午後はまあ、
雷かな?」と言っていましたが、期待して良いのかしら・・・?
という事で、本日は時間もたっぷり、ゆっくりコーヒータイムと言う事になり、男性陣は寒い外で、お湯を
わかしてくれていました。と、どんどんと、雲が切れてくるではないですか、え、あれは剱?え、え!コーヒーを
飲み終わり、出発する頃には、もうお天気はバッチリ。
7:20出発。歩き出して、すぐの岩場・鎖にまだ暖まっていない体は超緊張!あ〜、怖かった。でもね、後ろを
振り返れば、唐松岳、その先には、杓子・白馬、右手には剣、立山、薬師、前方目指す五竜の右には槍までもが見え、
ごめんなさい、Kanegonさん、もう最高だったわ!本日も、写真バチバチ取りまくり。
ふと気がつくと、暑いのにHaraさんがフリースを着て歩いている。あー暑い、もう脱ぐ!とわめく私たちとは
大違い、遠慮をしていたのでしょうか?気遣い無用ですよ!10:10、もう五竜山荘着。午後、天気が崩れる事を
ケアーして、10:35、すぐに五竜山頂へピストンスタート。
11:35五竜頂上、しかし、この頃には目の前に見えるはずの鹿島槍はガスの中。やはり、本日も午後のお天気は
あやしい。帰りの岩場が危険とのリーダー判断で、Haraさんが運んでくれたビールはお預けになり、記念写真を撮り、
11:50下山開始。
12:30五竜山荘到着、昼食。その後は、いつもより長〜い宴会です。絵師さんのみ、今回の目的である
スケッチ山行を遂行していました。でも、私も一応、スケッチブックなるものを持って来ていましたよ!泰さん&
Suzukiさんもかな?しかし、私はまったく描く気が起こらない・・・。
お酒に弱い?Haraさんは、一人お昼寝タイム。
さてここで、今回、絵師家のある事実が判明しました。絵師家が7年前、新居購入時に気張ってかけられた
超高級&高額シルクカーテンは、それから今まで、つまり、7年間、一度も洗われていないことが判明しました。
当人たちは、汚れていないようだと言い張っていますが・・・?
5:00夕食、カレーのメニューに、ちょっとがっかりしていた私でしたが、なかなか、ちゃんとしていました。
大根の味噌汁&缶詰フルーツ付きです。
8:00消灯、私たちにあてがわれた個室は混んだ場合、18人部屋になるらしく、部屋の入り口にはその際の
寝方が図解されていました。しかし、結局、私たち6人で専用することができ、うれしい限りでした。そう言えば、
何年か前に、マタギさん、Kobayanさん、Kanegonさんで今回とは逆ルートで秋に来た時は、超混みで個室に詰め
込まれ、確か、Kobayanさん以外、この五竜山荘の食堂にシュラフで寝た事を思い出しました。
ここで、さすが北アルプスと思ったのが、小屋には赤&白ワインが売っており、Altivelisさんが購入してくれて、
寝酒となりました。どうも、Altivelisさんはお酒が強い様な?確か、酔わないと言っていた気がする。うーむ、
この会、一番だったりして?今までは、ただ飲まなかっただけですね!
それと、Suzukiさんも、白ワインはいける口です!だんだん、自を出してきた面々でした。
明日のお天気を期待して、お休みなさい!
8月14日(月) by 絵師
4時起床。空には星も見えるし、今日はご来光期待できるかなと白岳に登り待つことにした。
しかし霧がなかなか晴れないので断念し小屋に戻る。6:20単独で五竜岳往復に向かったkiyoさん
を見送り本隊は出発する。
クサリ等がある急斜面がしばらく続く。よく晴れ渡り振りかえると五竜岳、鹿島槍が美しい。
高山植物も多くミヤマアズマギクが朝日に輝き見とれてしまった。7:35西遠見ノ池到着。五竜たちも霧の
中に見え隠れするようになった。ここでコーヒータイム。3日間楽しんだ山々にお別れをした。
ここからは所どころ崩れかけた道を歩き、小遠見山9:15到着。山々はすっかり雲の中だ。観光客やハイカーと
すれ違いながら10:35アルプス平に到着。一風呂浴びビールを飲んでいるとkiyoさんが下山してきて
解散した。
雷などいろいろあったが無事山行を終えたことを報告します。究極のドタキャン?Kanegon様、山行報告まで
書いていただきご苦労さまでした。涙なしでは読めません・・・。
番外<五竜撤退記録> by Kanegon
8/12絵師本隊は予定通りに登山を開始している。本隊に追いつくべく、予定の時刻にゴンドラ乗り場に
到着。チケット売り場のお姉さんが私のザックをちらりと見、「荷物の重さを量ってください」とおっしゃる。
近くの計量器にザックを乗せると約12kg。絵師お絵かき山行は、私にとっては昼寝&酒三昧山行だからと、
酒・果物・つまみを塾長並にたんまりと詰め込んだ結果だ。10kg以上だと\400の超過料金を取られるらしい。
\400かぁ〜、上でビールが呑めるなぁ〜っと「9kgです」と申告。ばれないように軽々とザックを背負い、
ゴンドラに乗り込む。
リフトを2つ乗り、歩き出す。思いの外、山並みが見える。さすが!私の威力は晴れを呼ぶのさ!と強気に
なったとたん、にわかに雨が振出し、空がゴロゴロと鳴り出した。観光客はきゃーきゃー言いながら下山していく。
雨具を着込んだ私は、ごった返す下山客にひとり逆行して黙々と登る。雨足は更に強くなり、風が吹き付け、
顔が痛い。ザックカバーが飛ばされそうだ。雨宿りしたいが、近くには何も無い。岩陰で暫く様子を見る。少し
風が弱まったところで、登り再開。八方池から唐松岳に向かって歩き出す。辺りは真っ白、何も見えず、人の気配も
無い。そこに稲妻の光が縦に走った。ぎょえぇ〜怖えぇ〜。でも、音は遅いので落ちた場所は遠いだろうと、歩き
出すと、行く手を稲妻が走る!今度は落ちたとたんに雷鳴が耳をつんざく。ぎゃあぁあぁあぁあぁあぁぁぁぁぁぁ。
あかん、こりゃあかん、と一人言いながらながら八方池のケルンまで降りる。と、そこに男性一名。私に近寄って
きて「帰った方が良いですよ」とつぶやく。聞けば彼は昨日、白馬大雪渓を登り、山頂付近で佐渡が見える程の展望を
楽しみ、今日は不帰の嶮を経由してここまで来たというツワモノ。その彼が「こういう日の登山は面白くないって」
と言う。話しているときにも激しい稲光と雷鳴が轟く。止めた、今日で唐松岳がなくなるわけじゃないし。
リフト乗り場まで降りると、強風でリフトも停止。八方池山荘はごった返している。暫くすると雨風が落ち着き、
リフト運行再開。雲切れもしてきたが、既に登る意思が萎えていたので、自宅でのんびり過ごしていたMichiyoさん
を捕まえて、唐松山頂山荘に撤退を連絡してもらい、そのまま帰京。
白馬からあずさに乗車し、一路新宿を目指すが、雷の影響で松本から先が不通に。別の電車に乗り、立川まで
満員電車で立ちっぱなし。えれぇ〜目にあった。本日の私は雷女であったらしい。
本隊は雨などに合いながらも、展望の良い写メールを送ってきており、無事山行を楽しんだみたい。貧乏くじは
私だけ?くっそぉ〜、こういうとき文明の利器は悔しさを助長させる道具と化すのだ。
2006年山行計画に戻る