徳本峠報告


日程 2008年10月17日(金)〜2008年10月19日(日)
メンバー Gyoshoリーダー、Altivelis、Ishino、Yuko、Muming、カネゴン

〜はじめに〜
 当報告書は、3人による合作となっています。
 徳本峠本編:Ishino
 ジャンクションピーク編:Muming
 番外編:カネゴン
 章の始まりは記者の署名が入っていますので、それぞれの個性をお楽しみください。
〜記者:カネゴン〜
10/17 18:25 神田駅にて一本のメールが携帯に入る。「大変だぁ!バッテリーが上がって車が 動かない!1時間遅れる」Gyoshoリーダーである。
 初っ端から波乱万丈。「了解、くれぐれも事故のないように来てください」と返信。

 20:00 相模湖駅にAltivelis、Muming、Yuko、カネゴンが予定通りに集合。「1時間遅れるってさ」 と皆さんに伝えると、「今頃、焦っているんだろうねぇ〜」と至って冷静に受け止めている。
 ちょうどそのとき、泰子副会長からメールが入る。そこで「今から徳本峠に行くために、駅で集合している」 と伝えると「Gyoshoさんを頼む」と返信あり。副会長も心配のようだ。
 20:45Gyosho車到着。「いやぁ、全て僕が悪い」と言いながらの登場に「そうよ」と皆、一言述べて車に 乗り込む。

 遅れを取り戻そうと、車が猛スピードで発進。助手席の私は命の危険を感じる。後部座席では早くも車酔いを 訴える人あり。「焦っても仕方がないから、ゆっくり行きましょうよ」と助手席も後部座席も必死に宥める。 この時点で明朝5:30歩き出し計画は早くも挫折。
 そこで現地集合のIshinoに連絡を取る。「安曇支所5:30っていうのはなし。7:30になったから。 ゆっくり来て」Ishinoは松本支部長・Kuroki邸に宿泊していたのである。

 無事、山荘に到着。とたんに「あぁっ!!」とGyoshoリーダーの大声。
 「鍵を忘れた!」別荘管理事務所に電話し、預けてある鍵を取りに行くことを説明。なんとか山荘内に入る ことが出来た。明日の準備の一項目には、翌朝、無事、エンジンがかかるよう、バッテリーを外し、山荘内で 充電する作業も含まれた。

 バッテリー外し作業中に見上げる空には、星が多く瞬いている。「明日はいい天気のようですね」「紅葉も 見頃でしょう」「問題はどこの紅葉を見ているかですね」「エンジンがかからないとなれば、徳本峠には たどり着けませんしね」「飯盛山ですか、そうなると」「じゃ、Ishinoには一人で徳本峠に行って貰うことに なりますね」などと、冗談にもならない会話が続く。

 10/18 5:30 バッテリーを付けてエンジンをかける。ブルブルブルルルルル・・・無事にかかった。 快調に車を走らせ、新島々駅に向かう。そこでIshinoをピックアップし、安曇支所に車を止める。身支度を 済ませ、7:40島々谷を歩き出す。

 歩き始めて20分。「あぁ!!」と再びGyoshoリーダーの大声。「車内に弁当を忘れた。走って取りに戻る。」 という。Gyoshoザックを呆れたようにAltivelisが抱える。
 「私は忘れ物なんか、しないけどなぁ」とMuming。走り去るGyoshoリーダーを待つことなく前へ進む。 見上げる山は色づいている。のん気に歩き出したこの時点で、新たな事件が起こっているとは、誰も予想して いなかった。

〜記者:石野〜
 8:30 Gyoshoさん、皆に追いつく。
 島々谷を 目の覚めるような秋空の下、サクサクと枯葉を踏みしめながら快適に進む。

 11:30 石で屋根を押さえているひなびた岩魚留小屋(1260m)着、小屋の前でお昼ご飯。秋の陽を浴び ながらしばしくつろぎタイム。しかし久々の山行で早くも疲れが…太ももが…。とにかく歩く歩く、徐々に 登る登る。

 14:30 往路最後の水場。 疲労で水を汲むのも面倒。

 15:30 ランプのある素朴な徳本峠小屋到着。もうだめ状態で到着、皆は元気。(2300m)
 眺望を楽しみ集合写真、宴会。

〜記者:カネゴン〜
 ようやく徳本峠に到着。展望台でビール乾杯をするも、汗に濡れた身体は急激に冷える。徳本小屋に戻り、 Gyoshoリーダー以外は持参の乾いたシャツに着替えた。すると、着替え終えたはずのMumingが大声で「あ! ちょっと待ってください!」と叫んでいる。振り返ると、ガラス戸の向こうに立つ見知らぬ男性が後ずさり してフェードアウト。室内ではIshinoが下着まで取り替えている最中。Yukoの大笑いが部屋中に響く。おい おいおい。

 夕食が済み、酒も底をつき、テーブルの上を片して就寝の準備に入る。紅葉で混雑を覚悟していたが、 思いの外、快適な寝床が確保されている。

 右からGyoshoリーダー・Ishino・Altivelis・Muming・Yuko・カネゴンの順に横になった。騒音対策に余念の ないYuko、Mumingは耳栓を準備。
 経験が浅いIshinoはこの準備を怠った。あっと言う間にGyoshoリーダーから眠った印の音声が響き出した。 疲労と酒で、今日も良く響いている。すると「いやぁ〜参った。私、右向きで寝る癖があるんだよね。だから 音のするGyoshoさんにかぶりつきだわ…」とIshinoが呟いた。
 まぁ、運命だと思って…おやすみ…

〜記者:Muming〜 10/19 5:30〜7:20
 時間的に余裕があり、霞沢岳にもいきたいというAltivelisの希望もあったので、霞沢岳まではちょっと 無理だけど、その登山道途中にあるジャンクションピークに行ってきました。

 ピークで朝日をみよう!ということで5時出発なんて前夜は言っていたけど、実際の出発は5時半になり、 Gyosho、Altivelis、Yuko、Mumingの4人がピークを目指しました。

 歩き始めはまだ暗く、ヘッドライトをつけての山行です。峠よりすぐ樹林帯に入り、木の根が張り出し 大きめな石も転がっているような歩きにくい道は、最初は下り道で、10分ほどで登りに切替りました。程なく 「やっぱり小屋で朝日をみることにした」Yukoが引き返し、3人のパーティになってしまいました。


 このままずっと樹林帯が続いたら朝日見えないかも、なんてちょっと心配しましたが、スタジオジャンクション 地点(穂高連峰、梓川上流の眺めがよいと記載されている場所)で、穂高山頂が朱に染まり始めたのが見え、 そして6時ちょっと前に、左手側の樹林が途切れた場所があり、そこからばっちりご来光を見ることができました。

 スタジオジャンクションからの山道は傾度を増し、相変わらず木の根が張り出し、今回の山行では一番の 悪路でしたが、2400m位のところは草にびっしり霜が降りていて、なかなか風情がありました。

 またしても左手の樹林が大きく途切れていると思ったら、そこがジャンクションピークでした。南アルプス、 八ヶ岳連峰がくっきり見え、甲斐駒ケ岳の八ヶ岳連峰側からは、富士山の片側の稜線が顔を覗かせていました。

 徳本峠小屋のご主人によると、富士山はなかなか見えないそうです。
6時20分に下山開始し、スタジオジャンクション地点でもう一度足を止め、梓川や穂高連峰の景色を堪能して きました。
ちょっと長めでしたが、朝食前のいい運動となりました。



〜記者:Ishino〜

 5:45 Gyosho・Altivelis・Mumingさんは元気にジャンクションピークを目指して出発。Yuko・カネゴン ・Ishino三人は小屋に留まり、昇る朝日を眺めつつ三人を待たずして朝ご飯。

 7:30 Gyosho・Altivelis・Muming ジャンクションピークから戻る。

 8:30 徳本峠小屋を出発。九十九折りの下りを順調に下山。眼前には険しい前穂がそびえ、眺望は最高。

〜記者:カネゴン〜
 10/19 10:00 横尾と上高地の分岐点を通過。下山したも同じである。そのとき「またバカが しでかしたぞぉ」とGyoshoリーダー。車の鍵がないという。もう笑うしかない。

 Gyoshoリーダーを残して電車で帰ればいいさと言ってみたが、会社帰りに徳本峠にやってきたAltivelisと カネゴンは、車内に会社の入出カードを置いており、サラリーマンに復帰できないことが判明。

 「古い車なら、定規さえあれば私が開けられる」とのIshino発言もあり、まぁ鍵くらいは開くだろうと、皆、 焦ることなく淡々と歩き続ける。
 Gyoshoリーダーの予想では、出発時に弁当を取りに戻った際、弁当を手に 入れた喜びがいっぱいで、車に鍵を挿したままで立ち去ったのだろうとのこと。河童橋の袂で安曇支所に電話で 確認してもらったところ、予想通り、鍵が挿さっていた。

〜記者:Ishino〜
 11:30 観光客であふれている河童橋の袂、5千尺ホテル前でお昼ご飯。皆水筒のお湯にほっと癒される。 Gyoshoさん、徳本峠小屋にキーが落ちていないか問い合わせるが、見当たらないと。そしてスタート地点の 安曇支所に電話し、車を見てもらう。。。。なんと車にキーがささったままになっていたと!!!!

 12:10 ひと安心して、安曇支所に向かってバスに乗り込む。
 錦秋の山々を眺めながら、バスの中Gyoshoさん安心して眠りにつく。

 13:00 安曇支所着。松本支部・Kurokiさんが私たちを迎えてくれる。そして一同役場の方から車の キーを受け取って、深々と礼をつげ安曇支所をあとにする。

 絶好の山行日和に恵まれ、紅葉本番を迎えた上高地を満喫しました。いろいろな形や色の枯葉を踏みしめ ながら、島々谷を行くのは無性に楽しかったです♪でも運動不足の足には往路の長い歩行時間(約7時間) がきつかった。。。皆についていかれず、のろのろ歩き。

 小屋は小さいながらも気持ちよく過ごさせていただきました。他の宿泊客に並べられた夕食を脇から物欲し そうに指をくわえて見ていた私達に、なんとも温かく恵んでくれたり、ストーブをつけてくれたり等など。 Gyoshoリーダー始め皆さんとこの秋の日に山行に行かれた事、何よりでした。ありがとうございました!

〜記者:カネゴン〜
 13:00 安曇支所では、Kuroki支部長が出迎えてくれる。すっかり山の雰囲気を隠しているが、とても 元気そうだ。
 Ishino・Kurokiに別れを告げて、風呂に向かった。さっぱりして帰路につくが、紅葉真っ盛りで好天に 恵まれた本日、高速道路は渋滞。
 業を煮やしたGyoshoリーダーは、上野原ICで高速を下り、一般道を走る。街灯もない真っ暗な山道を走り 抜け、思いの外早く、相模湖駅に到着した。ここで解散。トランクから荷を降ろし、Gyoshoリーダーと別行動と なった。



 19:30 相模湖駅で電車を待つ。するとMumingの顔が、急に歪んだ。

 「…トランクに登山靴を忘れた…」

 あれ?忘れ物はしないんじゃなかったっけ?

 「先週ね、マタギさんがね、忘れ物をしてね、それがうつったのよ!」
 って、それ、いい訳か?

 マタギさん、Mumingになんか言ってやってください。

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