2010年6月26日〜27日 北八池巡り
メンバー:二等兵、タニシ、元祖アバウト、ムトー、カネコ(記)
ジャンケンに勝つ!という栄誉を得て、今回の報告を書いております。
梅雨の合間を縫っての山行。おまけに何度も行っている北八。地図を眺めて私が足を踏み入れていない 場所を選んだ山行ルート。
集合場所の佐久平駅で集まったメンバーが最初に言ったセリフ「雨だけど…行くの?」さすが! 百戦錬磨の御仁。天候をも恐れぬ勇者が集まったものだ。
経営が危ういという千曲バスに乗り込んで麦草峠を目指す。
運ちゃんに 「乗車時間は?」
と尋ねると
「1時間だねぇ」
と言う。
?NETに載っていた時刻表では約2時間かかるって書いてあったけど…。やっぱNETの情報はアバウト だからさ、現地で確認しないと。っと思っていると、
「ありゃ?到着時間を見ると2時間かかることになっているねぇ」
と運ちゃん。
はいはい、大丈夫ですよぉ〜。なぁんてやり取りがあったせいか、少々早い時間に麦草峠に到着。 麦草ヒュッテで雨具を着込み、歩行開始。
雨は降っているけれど、北八らしい森の中を歩くので、あまり雨粒は感じない。木々に囲まれ、 苔に覆われた倒木を眺めるだけで、日頃のストレスが飛んで行くようだ。大した登りもなく、緊張 と言えば木道を滑らないように注意することくらいなので、皆、口々に山とは全く関係ない話をし ながら呑気に歩く。(『山は静かに歩くもんだ!』という木原鉄人のお叱りをうけること、間違いな い)そうこうするうちに、最初の目的地、雨池に到着。
<左写真『ぼーっと雨池を眺めtime』の様子>
池と言う名前で勝手にデカイ水たまりを予想していたが、思いの外、立派な池。なかなか趣のある 静かな場所で、いい所だ。
雨が避けられる場所を探し、コーヒーを入れ、軽い昼食をとる。我々以外、誰もいない。やっぱさ、 日頃、人混みに酔いそうな毎日を過ごしているだけにさ、こういう空気が一番のご馳走で贅沢なんだと 思うんだわ。
コーヒーを飲み終わり、再び歩き出すも、あまりにいい雰囲気に雨池を立ち去りがたい。所詮さ、 急ぐ旅でないしっと、ぼーっと池を眺めtime。
っと言えども歩くべ…っとぼちぼち歩く。池を一周するように歩く。一周してみると予想以上に大 きい池だと分かる。「なんかさぁ、いいねぇ〜。如何にも北八って感じで」と、ぼちぼち歩く。
地図を見つつ
「平地がイイよ、平地がさ」 と勇者たちの意見。
かつては車が通ったらしい林道を呑気に歩く。この道、車のみならず、人もあまり歩かないようで、 道の真ん中に花が結構咲いている。こういう穴場を、その独特の嗅覚で見つける勇者たちの山行は さすがである。
呑気度も増した頃、今日の宿、双子池ヒュッテが見えてくる。予想より奇麗な建物。チェックイン後、 双子池(雄池)のほとりでコーヒータイム。
思えばここでビールを飲まないなんて、なんて健全な山行でしょう!(私だって、やろうと思えば 出来るんだって!)
我々がコーヒーを飲んでいると、画伯アバウトがおもむろにスケッチを始める。なんて高尚な山行だ!
<左写真は、画伯と通りすがりのタニシの様子を写したもの。
通りすがりのタニシ 「上手いじゃない。ここでよく書いてるの?」 画伯 「参ったよぉ〜、ペンが書けなくなっちゃったよぉ〜、あぁあ」>
深夜、強い風と雨が吹き荒れる。明日はこの中を歩くのかい?と憂鬱になりながら熟睡。
だが今回の山行メンバーは勇者が集まっている。
「いいよ、いいよ、今日なんかさ、山頂を踏んだって何にも見えないもんさ」
と、竜源橋経由で帰ることを早々に決定。
双子池(雌池)をぐるりと廻り、帰路へ。木々に囲まれているせいか、宿で耳にしていた雨音より、 穏やかに降る雨の中を歩く。歩き出すまでは外に出たくなかったけど、歩きだすと結構楽しい。
<双子池(雌池)結構イイ雰囲気でしょ。雨さえ避けられれば、ここでもぼーっとしていたかったわ>
<右写真は某登山用品カタログ写真用に撮影したもの。今回、の場を借りて、皆さんにその秘儀をお伝え いたします。これで皆さんもプロの仲間入り♪>
亀甲池を目指して歩いていると、若者8人組に追い抜かれる。彼らは双子池(雌池)ほとりにテントを 張っていた大学生。
先頭を歩く私に
「北横岳に行くんですか?」
と尋ねるので
「ううん、行かない(軟弱モンだもん)」
と答える。
背負っているザックからすると、テントに大荷物を置いて日帰りでこの辺りの山を楽しむようだ。彼ら、 ひとりひとりが首から地図とコンパスを下げている。
いいぞ!青年たち!と思っていると
「あのぉ、この道は北横岳に向かう道ですか?」
「大丈夫。どこに行くにも亀甲池を通った後だから」
と答えつつ
「首に下げているものはなんですかぁ〜?」
という言葉を飲み込む。
双子池ヒュッテから歩くこと40分で亀甲池に到着。
<左写真は亀甲池>
ここでコーヒー&撮影タイム。幻想的で静かでカナリいい感じ。
ゆっくりとコーヒーを味わい、大人の余裕を見せて歩きだす。
この後も、如何にも北八らしい雰囲気を味わいながら、決して高い場所を目指すことなく歩き続ける。
それでも4時間あまり歩き続けるというのは疲れるもので、順々にだらしなく歩く勇者が増えるものの、 なんとか無事に歩き続ける。
時折見つける花々や、我々以外誰もいない森林の静けさを十二分に味わいながら、蓼科温泉到着。
ここでゆっくりと汗を流し、帰路のあずさであらはしりを味わいながら帰京。
これぞ大人の休日なのだ。
(っと言って、ひとつとして山頂を踏まなかった今回の山行を正当化して終わるのである。だから さ、計画者自らが山行報告を書くのは良くないんだね)
<亀甲池にて>
<見た花>
オサバグサ、
イワカガミ、
マイヅルソウ、
ヘビイチゴ、
ミツバオーレン、
マタタビ、
ミツバツガザクラ、
ギゼンタチバナ
2010年山行計画に戻る