北岳〜間ノ岳〜農鳥岳縦走山行報告


日時:7月17日〜20日

天候:晴れ

縦走組:マタギ(L)、 Suzuki、 Muming(記)

コースタイム18日:11:45肩の小屋発―12:30山頂12:45―コル分岐13:03―14:30北岳山荘着

 肩の小屋前での昼食後に、キタダケソウを見たいタニシ、塾長とともに5人で小屋を出発する。

 ここで本隊とはお別れだ。すでに雲が湧きだしているが、足元の花を見ながらのんびり歩く。
 今年は季節の巡りが遅いので平年なら咲いていないキタダケソウが見られるかもしれない。

 イワウメ、アマナ、ミヤマキンバイ、ミヤマダイコンソウ、終りかかっているシャクナゲ、 オヤマノエンドウ。

 山頂までの道は定番の花達で彩られていた。
 雲に遮られてしまい山頂からの眺望はのぞめず、早々に出発する。本格的にキタダケソウを 探し始めるが、なかなか見つからない。3年前に見た場所にもない。立ち入り禁止区域に入り 込んでいる人がいた。彼もキタダケソウを探している模様。コル分岐までくる。

 一面のお花畑だけどお目当てには出会えない。
 トラバース道の山腹に白い花発見。
 キタダケソウを見たら肩の小屋に引き返す予定のタニシが「キタダケソウだ!」とのたまう。

 やっと戻れるね、と思ったらチョウノスケソウと判明する。さらに歩みを進めることに。
 そして13時30分過ぎにようやくキタダケソウの群落に出会った。念願を果たして肩の小屋に 戻ろうとしている、タニシ、塾長の背中に向かって、マタギが「ミヤマムラサキがあるよ!」と 声をかけ、2人を引き戻す。
 山頂から下ること一時間。
 花を堪能して2人はやっと上りの帰路に。お疲れ様でした。

 山荘は大勢の人でごったがえし受付にも30分以上かかる状態で、おまけに布団1枚に2人と いわれてしまう。
 しかしながら、マタギの正当な主張により、後に私達3人は布団1枚のスペースをゲットできた。
 夕食後はしばらく外をうろつく。さすがに寒いが、夕日に染まる富士はずっと見ていても飽きない。

   コースタイム19日:
   5:40北岳山荘発―6:44中白根山6:50―7:30間ノ岳7:50―8:50農鳥小屋 9:30―
   11:47農鳥岳12:00―12:36大門沢下降点12:45―15:45大門沢小屋着

 今日はハイライトの稜線歩き。
 4時台から多くの登山客が山荘を出発している。昨晩に引き続き、朝焼けの中の富士山が見られる なんてとにかく恵まれている。
 風がかなり強い。
 稜線歩きだからしょうがないけど、ちょっと不安になるくらいの強さだ。
 歩き自体はとても順調で、ほぼコースタイム通りに間ノ岳山頂に到着する。のっぺりとだだっ広い 山頂で花もない。
 農鳥方向へは左の尾根を下ると地図には書いてあるが、いまいちわかりにくい。間ノ岳はとにかく 大きな山でこの山域を抜けるのにかなりの時間がかかった。

 風も止み、稜線歩きにはこれ以上はない最高の条件となるが、今度は暑い。じりじり照り付けて くる。

 鞍部に赤い屋根が見えてくる。悪名高き農鳥小屋だ。
 ここで大休憩させてもらう。
 名物ご主人には会えなかったけど、建物等も十分衝撃的だった。
 西農鳥岳までの上りは本日一番の急な急坂だが歩き易くて思っていたよりもつらくない。30-40分 経過したあたりで雷鳥の親子発見!
 写真を撮ったりしているうちにいつの間にか西農鳥岳を過ぎてしまい休憩をとるタイミングを失って しまった。農鳥岳までは稜線の西側、数メートル下につけられているトラバース道をひたすら歩く。
 花壇のようなお花畑が谷に向かって続いている。農鳥岳も北岳と肩を並べるくらいの花の山だった。
 ようやく農鳥岳山頂に到着し、お昼をとる。ここで今山行初めてのチングルマに出会う。

 大門沢下降点までの登山道は途中で東側を下るような道になり、稜線からは外れていった。 雲がどんどん湧いてくる。ずっと左側についてきてくれた富士山も見えなくなってしまった。

 黄色の櫓が見えた。稜線歩きともお別れとなる。大門沢下降点からは本日の第2部の始まり。 遥か下方に沢の白い流れが見える。照りつける日差しの中、まずは歩きにくいガレ場を下り樹林帯に 入る。
 ここからが長かった。100mごとに標高表示が木に貼られていたが、歩いても歩いても数字があまり 変わらないような気がしてきた。
 ようやく沢に出たか、と思ってもまた樹林帯に入る。いい加減飽きた頃に、直前の雨のために増水して いる沢を渡る橋がでてきた。
 梯子のように木を組んだだけの頼りない橋で、山行前に大門沢小屋の電話したときに「増水してますけど、 渡れないことないですよ」言われていたのだが、この橋のことだったのね、それも2箇所も。気をつけて 気合をいれて無事渡りようやく小屋に到着。

 稜線上の小屋とはうって変わって水が豊富で使いたい放題使う。冷たい南アルプスの天然水を堪能した。 

 コースタイム20日:
  5:45大門沢小屋発―7:12大コモリ沢7:30―8:21林道に出る―
  9:35奈良田の湯着
 今日はもう帰るだけ、沢沿いをダラダラ歩きかな、と、地図上の緑色にだまされてタカをくくっていたら 甘かった。
 沢沿いの岩ゴロゴロの滑りやすい道を歩き始めて早々、昨日以上に不安定で水面からも高さがある橋が でてきた。私達の前を歩いていた10人くらいのパーティーの中には、四つん這いになって渡っている人が いる。
 見ているほうがこわい。

 2箇所ある橋を無事通過した後、山道は沢沿いをいったん離れトラバース道になり樹林帯に入った。
 傾斜は結構きつかったけどなかなか雰囲気がいい林で、全く別の山に踏込んだような気がした。紅葉時も きれいだろうな。
 再び沢に近づいたところでコーヒーブレイクをとる。
 休憩後、気が緩んだせいか大コウモリ沢にかかっていた橋桁を踏み抜いて靴を濡らしてしまった。足場が あまりないちょっとした上りにも梯子がかかっていたけど、これも不安定で怖い。

 ようやく吊橋が見えてきた。楽に通過できるかなと思っていたら、安心して歩けたのは三番目の吊橋だけで 最初の3つの吊橋を歩いていたときは、今まで通過してきた木の橋とは違う恐怖を感じた。
 まっすぐ歩いていれば何の問題もないけれど両脇が空いているので綱渡りをしている心境になった。
 橋の中央にくるとグッと沈むのがまた怖い。
 とはいえ無事奈良田の湯に到着。のんびりとお風呂につかり、食事をし、山岳写真館をのぞき、広河原行き のバスに乗り込み帰路についた。

 梅雨明けの絶好の山日和に恵まれ南アルプスを堪能しました。
 マタギさん、suzukiさん、ありがとうございました。 

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