◆雲ノ平 北アルプス山行

・参加者(敬称略):マタギ、YAKKORA、Kanegon、suzuki、muming、ozawa、すみ

二日目(8月10日)

 太郎平小屋 5:50 ---- 8:40薬師沢小屋 9:20 ---- 11:20 雲ノ平入口 12:05 ---- 13:50 雲ノ平小屋

 本山行のメーンイベント雲ノ平へいよいよ目指します。
 太郎平小屋は2組の布団に3人とまあまあの状態で少々暑いくらいであったが大鼾を掻く人もなく熟睡、5時に 起床し早々に朝食を済ませる。

 出発間際にM嬢がひと騒動、メガネがないとのことでたたんだ布団をひっくり返し探すも見当たらず、ポシェット に大事に収納していたのであった。(度々お騒がせなM嬢です)

 背中の薬師岳に見送られ5:50出発、前方に目指す雲ノ平とその後ろに形の良い黒部五郎岳がおいでおいでと 招いている。

 がしかし今日は薬師沢まで400mを下り、雲ノ平まで740m登り返す地獄の工程が待っているのであった。
 はじめ良い良いでクマザサとエゾトドマツに囲まれた開けた登山路を鼻歌気分で進む。

 やがて薬師沢まで一気に下る、膝が悲鳴を上げるころ沢に到着ここで休憩し一息入れこれからの急登に備える。
 ちょっとスリルな吊り橋を渡り地獄の登りのはじまりはじまり、大きな岩を乗り越え、木の根を跨ぎ、倒木を潜り、 頭をぶつけ膝を擦りむき風もなく蒸し暑い樹林帯をひたすら登る登る、みんな寡黙となる。



 「ためしてガッテン」流に声を出すといいかもとカラ元気を出し、便所の火事(やけくそ)状態で大声を張り上げる。 いい加減うんざりする頃パっと視界が開け雲ノ平の入口に到着、そこはアラスカ庭園であった。



 水晶岳がまじかに迫り、アラスカ庭園に続き奥日本庭園、アスプス庭園とお花畑が広がり正に雲上の楽園です。

 雲ノ平の入口に到着する頃から降り出した雨も気になりません、ここだけで約20種の花を確認しました。
 小屋は新築して今日が開業初日、木の香りが漂い大工さんがまだ作業していました。



 夕食は石狩風粕汁鍋で鮭、鶏肉、茸、数種類の野菜と具沢山の鍋、冷えた身体に何よりのご馳走です。
 大きなサンドスピイカーからはちょっと不似合いな音楽が流れていました。

 夕食後はまだ外が明るいので小屋前で景色を存分に堪能し、明日の天気を願いつつ8:30時就寝、おやすみなさい。

・4日目:8月12日(木) 双六小屋〜新穂高温泉(台風4号直撃!)   (すみ記)

・コースタイム: 5:00双六小屋発 → 6:05弓折分岐 → 6:45鏡平山荘7:15
       → 10:15ワサビ平小屋10:45 → 12:00新穂高温泉着
   松本行き直行バス(\2,800)13:40発−15:40着、スーパーあずさ松本16:58発

 吹き荒れる風の中、眼が覚める。
 行くか、停滞か。まずはメシだ。
 昨日、速やかに動けるように朝食を弁当に替えていたが、黙々と談話室で食べる。
 外に出て、雨、風の状態をチェック。風はきついが、幸い、雨はまだ降ってないようだ。 出発を決め、皆、雨具を着込む。
 我々以外は、停滞を決め込んでいるのか、様子見なのか、殆ど動きがない。

 明るくなってきた5時に出発。
 風にあおられながら、弓折岳の方に向かう。双六小屋の裏側には、テントが点在。  昨日、あきらめて小屋泊まりにした人も多いと聞いたが、この天気の中、よくも 頑張ってるもんだ。前方には同じく下山中の単独行の人が見える。

 しばらく歩くと、意外なくらい風が弱くなった。どうやら小屋の周りが、一番風が 強かったようだ。風の通り道になっているのだろう。行く手の登山道の方は、樹々が 風を遮ってくれて、とても助かる。このような道が続いてくれるといいのだが。

 途中、“花見平“等の幾つかのポイントを過ぎ、弓折分岐に着いた頃には、心の余裕 もできて、なお豊富な高山植物を所々愛でながら、歩いていたのであった。
 ミヤマダイモンジソウ、ハクサンイチゲ、コイワカガミ、クロユリなど、カメラこそ 出さなかったが、お花畑を名残惜しみながら、主稜線を離れ、一路、鏡平山荘に向かった。

 行くと決めたら早く出発したのは正解だった。この頃より雨が激しくなり、登山靴の 中も濡れてきた。暴風雨になると、眼鏡が使い物にならなくなるので怖いが、この道ならOK。

 そうは言いつつも、疲れが出てきた頃、鏡平山荘に到着。
 山荘の人の好意で、小屋の中で休ませてもらい長めの休憩。落ち着いた良さげな雰囲気の 小屋だが、マタギさんの話では、昔はこの小屋自体もなく、辺りは様変わりしているらしい。

 鏡池の向こうに聳えているはずの槍ヶ岳を想像しながら、下山を再開。
 驚いたのは、この悪天の中、登ってくる人々の多いこと。鏡平山荘泊りならいいが、先に 進むのであれば気をつけないと。
 益々激しくなる雨の中、登山道は川と化し、濡れネズミとなりながら、ぐんぐん下っていく。 小池新道自体は、歩きやすい、いい道なので、今度は好天の中、登ってみたいもんだ。
 増水した秩父沢の橋を渡り、もう一頑張りしたところで、左俣林道に到着。ソバナや ホタルブクロが優しく迎えてくれた。

 あとは、ひたすら林道を歩くだけ。途中、ワサビ平小屋で名物のソーメンに舌鼓を打ち、 最後は、新穂高温泉で、足を痛そうに歩いていたKanegonさんを拍手で迎えて、ゴールイン!
 中崎山荘の温泉で、極楽の時が待っているのでありました。

 参加者の皆さん、長い山旅、お疲れ様でした。最終日はこんな天気でしたが、雲ノ平山行を 満喫できました。花も多く、水晶岳もカッコよく良かったです。ありがとう!

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